岩本裕子研究室

PROFESSOR HIROKO IWAMOTO'S OFFICE

【#04】「年始に考える:ポピュリズムと向き合うためにできること」映画『パール・ハーバー』

Posted on 1月 10, 2017

新しい年(丁酉年)を迎えました。みなさまにはどのような冬休みをお過ごしになったでしょうか。今年も、映画紹介コラムを続けてまいりますので、よろしくおつきあい下さいますよう、お願いします。

先月、映画『リンカーン』紹介の最後でお約束したように、年明け最初の映画紹介は『パール・ハーバー』とします。こども学部の後期科目「アメリカの生活と文化」では、12月7日直前の講義で毎年講義テーマとして、映画の一部を教材として見せてきています。

2016年の暮れも押し迫った12月28日(日本時間:ハワイ時間27日)に、安倍首相がハワイ、オアフ島のパール・ハーバーを訪問しました。ハワイ州出身のオバマ大統領が休暇でハワイ滞在中ということで、日米両首脳による真珠湾訪問が行われ、世界中の注目を集めたニュースとなりました。

日本軍の攻撃によって、約900人の遺体を残して沈んだままの戦艦アリゾナ号(米海軍の軍艦の名前は、海のない州の名前をつけたものが多くあります)の上に、追悼施設が作られて、真珠湾攻撃による戦死者の全ての名前が刻み込まれています。アリゾナ記念館(Arizona Memorial)と名付けられ、1962年に開館した慰霊施設です。


アリゾナ記念館に置かれている施設紹介のチラシは、英語のものだけではなく日本語版も含め何カ国語も準備されています。

現在、アリゾナ記念館のそばには、戦艦ミズーリ号(ミズーリも海のない州)が永久停泊していて、ミズーリ記念館となっています。この戦艦は建造されて2度目の航海として、1945年9月2日に東京湾へやって来ました。日本国降伏文書調印式を行うためでした。そのミズーリ号も50年後に現役引退して(映画『沈黙の戦艦』の冒頭で真珠湾攻撃50周年式典が紹介されています)、サンフランシスコ湾に永久停泊した後に、真珠湾に移動して記念館となりました。