陸上や水泳、球技など学生時代に何らかの部活動に打ち込んでいた人の中には、できれば得意なスポーツ能力を活かした仕事に就きたいと考える人は多いはず。では、実際にその分野のプロ選手になる以外に、どのような仕事があるのでしょうか？ ここでは、スポーツ能力を活かすことができる仕事について紹介していきます。

スポーツトレーナー

スポーツ選手が常にベストな状態でパフォーマンスを発揮できるようにサポートするのが「スポーツトレーナー」の仕事です。人の体や運動機能に関する専門的な知識に基づいてトレーニングメニューを考えたり、ケガや故障の予防と応急処置を行ったり、それぞれの選手の運動能力やパフォーマンスを高めるための手伝いをします。
スポーツトレーナーには、選手のちょっとした体調の変化に気づけるような洞察力、選手がケガをしたときに適切な処置を行う判断力などが求められます。

就職先としては、スポーツジムやフィットネスクラブなどが一般的ですが、実力を身につければプロのスポーツチームに加われる可能性もあります。

スポーツインストラクター

「スポーツインストラクター」というのは、健康維持やストレス解消などを目的としてスポーツを楽しむ人たちに、運動指導をする専門家のことです。相手の年齢や体力などに応じて、科学的に裏付けられたトレーニングを作成し、指導していきます。

楽しみながら運動を続けてもらうためには、トレーニングが単調にならないような工夫をしたり、ゲーム的な要素を取り入れたりといった工夫も必要になるので、教えることが苦にならない面倒見の良さ、高いコミュニケーションスキルなどが求められる職業です。スポーツインストラクターは、スポーツジムやエアロビクススタジオなどで働くケースが多く見られます。

スポーツプログラマー

スポーツクラブやフィットネスジムなどに通っている人の体力測定を行い、その結果に基づいて適切なトレーニング方法などを指導、アドバイスする専門家が「スポーツプログラマー」です。その人の年齢や基礎体力、体調などの目的に応じた運動メニューを作り、運動方法を教えるのが仕事です。スポーツプログラマーになるには「公益財団法人 日本体育協会」が認定する養成講座を受講した後、筆記試験に合格する必要があります。

スポーツプログラマーの仕事の中心は、相手の相談を受けてそれに対するアドバイスをすることなので、スポーツに関する幅広い知識を持っていることはもちろん、常に相手の立場に立って物事を考える力や、コミュニケーションスキルが必須です。

健康運動実践指導者

「健康運動実践指導者」は、「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が養成と認定を行っている資格で、健康の維持や向上を目的とした運動指導を行うエキスパートです。健康運動実践指導者には、幅広い年齢の人たちに分かりやすく指導する力が必要になります。

就職先としては、フィットネスクラブやスポーツジムなどが一般的ですが、今後は高齢者への運動指導なども必要になってくるので、病院や老人福祉施設、介護保険施設、健康増進センターなどでも活躍の場が広がっていくことが期待されています。

健康運動指導士

「健康運動指導士」の仕事は、保健医療関係者と連携しながら安全で効果的な運動プログラムを作成し、指導していくことです。健康運動実践指導者とよく似た資格ではありますが、健康運動指導士は「個人の健康状態に合わせて」効果的な運動プログラムを作成するため、より高いレベルの医学的な知識が求められます。

就職先としては、アスレチッククラブやフィットネスクラブ、病院、老人福祉施設などが挙げられます。

整体師

「整体師」の主な仕事は、東洋医学の考えを元に、手技によって骨盤の歪みや筋肉のバランスを調整することです。腰痛や肩こり、神経痛などの予防や改善を行うことで、人がもともと持っている自然治癒力を高めていきます。相手が自分の体の状態について話せるように、話を引き出す力が求められるでしょう。

整体師になるために取得すべき資格は特別にはありませんが、人の体に直接触れる仕事なので、正しい技術と知識を身につけるためにも、整体師の養成学校やスクールで学ぶことは欠かせません。卒業後は、整体院で働きながら経験を積み、独立して自分の整体院を開く人も多いようです。

ダンスインストラクター

「ダンスインストラクター」はダンスの技術はもちろん、その楽しさや面白さを伝えるための専門家です。ひと口にダンスといっても、バレエ、ジャズ、ヒップホップというようにジャンルが細かく分かれていて、当然のことながら必要な技術や知識が違います。どのジャンルを指導するかによって、目指すインストラクターは異なるでしょう。
ダンスインストラクターには、楽しく踊れるような雰囲気を作るスキルが求められます。就職先には、ダンススクールやフィットネスクラブなどがあります。

上記のように、プロのアスリートになる以外にも、スポーツに関わる仕事はたくさんあります。ぜひ、自分に合った道を見つけて目指してみてください。