福祉業界お役立ちコラム

保育士の給料、年収の目安

保育士の給料、年収の目安

保育士の平均給与は、必ずしも高いとは言えない現状におかれています。運営母体や教育方針によっては、高い水準を維持している保育所もありますが、「児童たちを育てる責任ある仕事の割に、給与が見合わない」という理由から、離職してしまう保育士がいるのも事実です。これから保育所への就職を目指す人にとって大変心配な問題ですが、政府によって新たに導入された保育士の処遇を改善する対策により、徐々に給与水準がアップすることが期待されています。ここでは、保育士の給料や年収の目安を紹介します。

公立保育園に勤務する保育士の給与は?

市町村が運営する公立保育園に勤務する保育士の給与は、地方公務員の給与体制に準ずるため、比較的安定していると言えるでしょう。平成26年度の東京都練馬区のケースを見ると、40代の平均年収が賞与などの諸手当を含めて約600万円まで上る場合もあり、定期的な昇給も期待できます。

公務員である以上、保育所からほかの児童福祉施設へ転勤を命じられる可能性もありますが、年次休暇や夏期休暇の取得もしやすいケースが多くメリットが大きい職場です。

私立保育園に勤務する保育士の給与は?

保育園の規模や対象児の年齢、勤務年数などによって違いがありますが、公立保育園よりも給与が低いケースが多いと言われています。「平成26年度・賃金構造基本統計調査」によると企業規模が100~999人の場合、35歳前後の保育士の年収の全国平均は300万円前後(賞与など含む)となっています。

ただし同じ私立保育園でも、より優秀な人材を確保しようとする保育所では、基本給を高く設定しているケースもあるでしょう。また、住宅手当を手厚く支給したり、独身寮を安価で提供したりして、保育士が働きやすい環境づくりに力を注いでいる保育園も見られます。

加速化する保育士の待遇改善

共働き世帯が専業主婦世帯を上回った1990年代初頭以降、保育所への入所条件を満たしているにも関わらず、保育所に入所することができない「待機児童」が増え続け大きな社会問題となっています。その背景として、待機児童の8割以上を占めると言われる0~2歳児を預かる保育所の不足はもちろんのこと、保育士が離職することにより保育士を必要数確保できないという問題が指摘されています。

そのため政府は、各自治体や一般企業が保育所を開設しやすいよう要件を緩和するほか、保育士の養成を支援する制度や、保育士ができるだけ長く勤務できるような環境を整備するためにさまざまな取り組みを行っています。

そのひとつとして、平成27年4月から本格的に施行された「子ども・子育て支援新制度」が挙げられます。この制度により保育環境の充実にとどまらず、保育士の給与を平均5%改善するなど新たな仕組みが導入されました。

保育士の給料は勤務先の運営母体や規模、地域性によって異なりますが、待機児童問題を背景に、今後ますます保育士の待遇の改善が期待されています。活躍の幅が広く、ライフスタイルに合った働き方を選びやすい保育士の資格取得にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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