岩本裕子研究室

PROFESSOR HIROKO IWAMOTO'S OFFICE

【NO.16】マンハッタン教会巡り・ニューヨーク出張報告・最終回 #教会巡り #教会建築

Posted on 3月 27, 2025

皆様、こんにちは。岩本裕子です。埼玉県にある浦和大学で教員をしております。

岩本裕子研究室の映画コラム、もう第16回になりました。今年度としてはこれが最終回です。今年度の8月からこのYouTube配信を開始し、今回が通算16回目となります。ニューヨーク出張報告としては、先ほどエルファバについてお話ししましたので、今回が第4回目になります。これで一区切りとしたいと思いますが、今回もニューヨーク出張報告であることをどうかお許しください。

今回は、マンハッタンの教会巡りについてお話ししたいと思います。マンハッタンという島には、もともとマナハッタ族という先住民が住んでいたことに由来しています。その後、オランダ人が入植し、さらにイギリス人が進出。最終的には英蘭戦争を経てイギリス領となったという歴史があります。

現在で言うと、自由の女神のあるあたり、つまりリバティアイランド辺りからマンハッタンに上陸していくというルートになります。最終的にはマンハッタン島の最北端まで行きますので、どうぞ迷わず付いていらしてください。

可能であれば、手元にニューヨーク、特にマンハッタンの地図をご用意いただくと、より分かりやすいかもしれません。
まず、バッテリーパークからマンハッタンに上がってすぐに、ウォール街があります。かつてツインタワーがあった場所辺りで、2001年9月11日に崩壊してしまいました。現在、ここにはメモリアルがあります。そのそばには「1776フィート」の高さをもつリバティ・タワーができました。この1776という数字は、アメリカ独立宣言の年です。

そのご近所、ウォール街のすぐ近くには「トリニティ・チャーチ」があります。トリニティとは「三位一体」、つまり神・子・聖霊を意味します。トリニティ・チャーチには墓地も隣接して、有名人の墓がいくつかありますので、ぜひ外の墓地も訪れてみてください。

まず一人目はロバート・フルトン。蒸気船を発明した人物で、彼の名はフルトン通りとして今も残っています。もう一人は政治家アレグザンダー・ハミルトン。彼はアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの側近であり、初代財務長官でした。将来、大統領になる可能性もあった人物でしたが、アーロン・バーとの決闘によって命を落としました。現在はトリニティ・チャーチの墓地に埋葬されています。最近ではブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』の人気により、彼の墓にはお賽銭のようなものが供えられている様子も見かけました。

続いて北上し、五番街の50丁目から51丁目にかけてそびえ立つのが「セント・パトリック教会」です。カトリックの大きな教会で、アイルランド移民のために建てられました。私自身、とても好きな教会で、ニューヨークを訪れるたびに立ち寄って、静かに座る時間を持っています。過去には結婚式やお葬式のために入れなかったこともありました。

さらに北上すると、「セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂」があります。英語では「Cathedral of St. John the Divine」。これは米国聖公会に属する教会で、先ほど紹介したトリニティ・チャーチも同じく聖公会に属しています。イギリスでの聖公会(アングリカン・チャーチ)は、ヘンリー8世がカトリックから分離し設立したもので、それがアメリカでは「聖公会」と呼ばれるようになりました。

ここで少し寄り道して、ハーレムに立ち寄りましょう。私はニューヨークに行くたびに、日曜日を含めるようにして、必ずゴスペル礼拝に参加しています。お気に入りは「アビシニアン・バプティスト教会」ですが、近年は観光業者と提携しているようで、飛び入りではなかなか入れなくなりました。以前は地元の信者の方々と一緒に礼拝し、交流できる素晴らしい体験ができましたが、今は難しいのが残念です。

最後に、マンハッタンの最北端近くにある教会、「セント・フランシス・カブリニ・シュライン」についてご紹介します。フランシス・カブリニはイタリア出身のカトリック女性聖人で、アメリカで移民の支援活動に尽力しました。彼女自身はシスターで、神に仕える者として数々の業績を残しました。

今回、初めてこの教会を訪れました。2月の最終日曜日、午前中はケンナン・バプティスト教会で礼拝に出席し、午後はコロンビア大学の教員である友人のバーバラの自宅でおしゃべりをして、その後、地下鉄で20ブロックほど北上してこの教会を訪れました。

到着した時には礼拝をしていて、スペイン語で行われていました。中南米出身のカトリック信者たちのための教会として機能しています。

これまでに紹介した教会は、全部で6つになります。

  1. トリニティ・チャーチ
  2. セント・パトリック教会
  3. セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂
  4. アビシニアン・バプティスト教会
  5. ケンナン・バプティスト教会
  6. セント・フランシス・カブリニ・シュライン

マンハッタンを旅する機会がありましたら、これらの教会のどこか一つでも訪れてみてください。特に日曜日の礼拝に出席できると、日常では味わえない特別な空気に触れることができるかもしれません。

アメリカでもヨーロッパでも、私は知らない街に行くときはなるべく日曜日を含めるようにして、地元の教会に足を運んでその土地の文化を肌で感じるようにしています。

以上、ニューヨーク出張報告第4回として、マンハッタンの教会巡りについてお話ししました。今回は映画の話ができませんでしたが、次回は映画について取り上げます。

それでは、岩本裕子研究室映画コラム「YOUTUBE」第16回はこれにて終了します。次回、またお耳にかかれることを楽しみにしております。

来月、4月から新年度も始まりますね。本日もお聞きくださり、ありがとうございました。ごめん下さいませ。

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