音楽・美術・舞踊など、表現活動の歴史をたどる(こども学科「こどもと表現」授業)

こども学部

2024年7月30日
  • 『こどもと表現』の授業をご紹介します。この授業は、美術家の船木教授、ピアニストの金井教授、舞踊家の甲斐助教の3名によって行われています。

    授業では、何万年にもわたる人類の音楽、美術、舞踊といった表現活動の歴史をたどります。多様な表現の歴史を学ぶことで、自分たちの表現の「枠」を広げ、それがこどもたちの自由な表現を受け入れ、引き出すことにつながります。授業では、歴史から学んださまざまな表現方法を、こどもたちとの活動に活かせるような実践ワークを取り入れています。

  • 例えば、アートと音楽は互いに影響し合いながら発展してきました。抽象画の先駆者とされるカンディンスキーは、十二音技法で知られる作曲家シェーンベルクのピアノ曲op.11を聴き、そのイメージを抽象画として表現しました。同じように、金井先生がこの曲を演奏し、学生たちは音楽を聴いて思い思いに絵を描くという活動を行いました。

  • また、カンディンスキーの抽象絵画をもとにした実践ワークでは、さらに嗅覚を刺激する要素として、野菜から抽出した色水を使用しました。これにより、こどもが口に入れても安全です。金井先生の生演奏によるロマン派と印象主義の作品から、ショパンとドビュッシーの雰囲気の違う2曲を聴いて描く活動も行われました。美しい音色と自然の色を使ったことで、素敵な作品がたくさん生まれました。

  • 近現代のアートでは、本当に多様な考え方や手法が生まれました。白い画用紙に自由に絵の具を使ったり、ビー玉に絵具をつけて転がしたり、凹凸のある面に色鉛筆で模様を浮き出させたりしました。絵が上手く描けなくても大丈夫です。こどもたちと一緒に表現することを心から楽しむことができます。

  • 前期15回の授業を終えて、学生たちは西洋芸術史をたどり、多様な表現を体感しました。これにより、こどもたちと共に楽しみながら、枠にとらわれない自由な表現を受け入れ、支える力を育むことができました。