浦和大の学生が議員と意見交換会 政治のやりがいや収入面を率直に質問

2022年11月13日 07時19分

政治活動のやりがいや収入面などについて、現役の地方議員(左)から話を聞く学生たち=さいたま市緑区の浦和大で

 「ギイン」って、どんな人たち? 浦和大(さいたま市緑区)で先月、学生と県内外の地方議員の意見交換会が開かれ、学生たちが政治活動のやりがいや収入などについて率直な疑問をぶつけた。(杉原雄介)
 林大介准教授の「主権者教育と政治」の授業の一環で、議員とじかに接することで政治を身近に感じてもらおうと企画され、二〜三年生の三十五人ほどが参加した。議員側は埼玉県議や白岡市議など、主義主張が異なる県内と東京都内の地方議員四人が出席。経歴や政治家を志したきっかけなどを語った後、グループごとに分かれて学生から質問を受けた。
 「しんどかった仕事」を聞かれた井上航県議(43)=無所属県民会議=が挙げたのは、エスカレーター上で歩かないことを義務付ける県条例が昨年に成立するまでの経緯。「最大会派の自民が出した条例案なので絶対に成立するけど、課題や問題点は挙げなければならず、数でかなわない相手とガチンコで戦った」と振り返った。
 野々口真由美・白岡市議(57)には「収入が低くて、県議になろうとは思わないか」との質問が。「市議は地元の問題に一番密着できるので、やりがいがあって楽しい」と否定したが、白岡市議の報酬が月額二十六万六千円であることに触れ「家族を養える金額ではないので、市議をやりたいという若い人が出てこない」と小規模自治体の議会が抱える問題を語った。
 来春の統一地方選では、県内でも県議選などが予定されている。初めて議員と話したという川口市の武田柊一郎(しゅういちろう)さん(三年)は「議員は会議で寝ているなど悪い印象があったが、実際に会うと仕事に誇りを持っていると感じた。まだ選挙に行ったことはないが、統一地方選では候補者がどんな政策を訴えているのかを調べたい」と政治への関心を高めていた。

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