こども学部講義紹介:「日本文化」担当:高野実貴雄

こども学部

2018年7月28日
  • 「日本文化」の講義では、文化を都市の消費過程で生まれた精神的遺産と定義し、江戸期の京・大阪・江戸という都市での消費過程で発生し進化した落語という笑いの文化を紐解きながら、日本の社会における人間関係の基層の文化を理解することを目標にしています。

    落語の歴史や江戸の歴史的背景、話芸としての落語の 言葉(日本語)の特徴、オチの分類、噺の展開のパターン、下座音楽等を総合的に見て行きながら、落語が何故おもしろいのかを解き明かし、「日本文化」としての落語をいっそう深く味わうことを講義の目標としています。

  • 全15回の授業のうち2回、落語家の方をゲストにお招きして、直に落語を体験する場を設けており、2018年7月23日(月)の講義では、11代目金原亭馬生師匠による、罠にかかった狐を逃がしてやった「安兵衛」のところに狐が化けた女房が訪ねてくる物語、「安兵衛狐」の実演がありました。

  • 実演後には、この落語は上方落語の「天神山」が舞台を変えて(上方落語では安居天神(安井神社)、江戸落語では谷中の天王寺が舞台)江戸落語「安兵衛狐」として成立したとされること、元ネタの「天神山」が、陰陽師として知られる安倍晴明の出生を物語る伝説「葛の葉」を土台にしたお話であることなど、物語の成立過程に関する解説も馬生師匠からありました。

    最後に、受講者全員で記念撮影を行いお開きとなりました。