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浦和大学 学園祭
第38回 しらさぎ祭

10/11(土)・10/12(日) @ 浦和大学キャンパス

お楽しみ企画:落語と謎企画「緑太師匠に習おう!」

落語と謎企画「緑太師匠に習おう!」
▲落語と謎企画「緑太師匠に習おう!」

浦和大学総合福祉学科1期生であり、現在は真打として活躍する柳家緑太師匠を迎え、落語を題材に「話し方」や「物語の作り方」を学ぶ特別な1時間くらいです。本企画では、緑太師匠がその技術をわかりやすく語り、ストーリーメイキング・テリングの奥深さを体感できます。また、学生による発表も予定されており、学びと実践が交差する場として、参加者の皆さん自身の「表現する力」を考えるきっかけとなるでしょう。落語と大学生の発想が出会う、ここでしか聞けない貴重なひとときをぜひお楽しみください。

緑太師匠に聞く!「なぜ落語家だったのか」

真打昇進記念「うしろ幕・寄席のぼり贈呈式」
▲真打昇進記念「うしろ幕・寄席のぼり贈呈式」

Q. そもそも、総合福祉学科を卒業して、なぜ落語家になろうと思ったのですか?

A. 落語の枕、演目に入る前の世間話で 「妻に逃げられました。パチンコがやめられません」って言うのがあるんですが、これが衝撃的だったんです。 「パチンコがやめられなくて、妻に逃げられた」っていう、ものすごく恥ずかしいことで笑いを取ろうとするこの文化って「何なの?」「こんな世界があるの?」と言う謎のところに 衝撃を受けて「よし、落語家になろう」ときめたんですよ。

Q. いろいろな落語家さんがいる中で、なぜ柳家花緑師匠に弟子入りしようと思ったのでしょうか?

A. なんか「ピン」ときたんですよ。落語家って「お願いします弟子にしてください」ってこっちから行くしかない、そのアプローチしかないんです。スカウトとかはないので。原宿歩いていてもスカウトされないんで。そこで、いろんな落語家を見てみようと…。「(笑福亭)鉄瓶師匠という方は面白いな…、落語って面白いな…」と思って。
で、最後にこの人、うちの師匠、柳家花緑って言うんですけど、花に緑。おじいちゃんは人間国宝の五代目柳家小さん。花緑師匠だけ俺、見てなかったんです。
驚いたことに、人間国宝の孫でしょ。ましてや花に緑色で、趣味がピアノとバレエ 、踊るほうのね、なんて言うのかな…いけすかなくて…どうも気に入らなくて。ピアノとバレエで国宝の孫ですよ。「なんかいけすかねえ、でも見てみよう」と。どうせ七光だろと。
1,000人ぐらいのホールで見たんですけど、その時、花緑師匠が出てきたとたん、本当に光って見えたんですよ。いろんな人見たけど こういう感覚になったことがない。これは、この人が弟子にしてくれるかどうかわからないけど、この人のところに「お願いします」ってお願いに行ってみよう、行ってみないとダメだなと思って。この「ピカっ!」って感覚は何だろうと。そこで、この人にしようと。今思うと「ピカっ!」て見えたあれが、七光なんじゃないかなと…。

Q. 緑太師匠は実際どうやって柳家花緑師匠に弟子入りをしたのですか?

A. 「弟子入りしよう!」となっても連絡先は知らないじゃないですか…。「じゃあ出待ちをしよう」ってなるんですね。月に五・六回で、半年間ぐらい、僕は出待ちをし続けるんです。大きいホールにはだいたい、楽屋口と正面口っていう、出入り口が二箇所あるんです。その二択の一方で僕は待つわけです。で、その二択を半年間 ぐらい外し続けるんです。もう外し続けてもう意味がわからない。会えれば、「ダメだ。まだ取らない」みたいなやりとりができるじゃないですか。それができない。
どうしたもんかなと思ってたら、春風亭昇太師匠と花緑師匠の二人会があって 、そこで昇太師匠が「弟子志願の人が来たんですよ。で、会が終わったら係の人が『お弟子さんになりたいっていう方がお見えですよ』って言ってきて、それで…」という話をしていて、 「そういう手があるんだ。係の人に言えばいいんだ。じゃあ、もう今日言おう」と。
で、お客の最後の一人になるまで待って、ホールのおじさんに「花緑師匠の弟子になりたいと思っております」と言うと「分かりましたちょっと待ってください…今お見えになるのでちょっと待ってください」って言うんですよ。「今来るの!」ってなって、今日は一回断ってもらって「なんかそういう奴がいるらしいな」って認識を持ってもらうという作戦を咄嗟に考えていたんですよ。
Tシャツに短パンでヒゲも剃ってない。でも待ってたんですよ。で、目の前を昇太師匠が横切るとすぐに、後ろから「君かい?」って言われて振り返ってみると…。「今?!」って。ちゃんと挨拶をしようと思っていたのに何もできなくて。すると花緑師匠が「今は緊張していて言葉が出ないだろうから手紙を書いてきて」って言われて、そこで初めて弟子入り志願の手紙を書いて、と言うのが、入門のきっかけですね…。 

『緑太と遊ぼう!〜しらさぎわっしょい2023お楽しみ企画〜』

まくら:「マーガレット・サッチャー」