2011年度 第1回読書感想文コンクール講評

その他

2011年10月29日
魅力的な本に出会って欲しい
図書・情報センター長:松嵜 久実
  • 多数の作品から、一次選考で5名の作品を選出し、そこから最優秀・優秀・佳作作品を、厳正なる審査の結果選出しました。感想文は、応募者の学部・学科や学年、氏名などの情報を取り除いた、公正な状態で審査員に選考(点数制)されました。

    読書感想文の審査は、以下の2点に重点を置いて評価しています。

    まず、「読んだ書籍の魅力が説得力のある形で紹介されていること」、次に「書籍から大きな学びがあったことが丁寧に書き込まれていること」これが内容面の判断基準です。

    読んだ本人にしか分からないように書かれている場合には、当然、評価は下がります。また、筆者や作品が書かれた社会背景が丁寧に説明され、感想文に「広い」教養と「深い」思慮が記されている場合でも、その作品の魅力自体が丁寧に書かれていない場合には、読書感想文の趣旨から判断し、受賞を逃す結果になります。

    次回のコンクールの際には、書いた文章を友達や家族に読んでもらい、「自分が伝えようとした魅力を理解してもらえたか」を確認することで入選の可能性が高まるでしょう。

    文章表現上の判断基準は、「導入部分と結論部分があり、その対応がとれている、文章の構成美しさ」「誤字・脱字が無いこと」「多数の読者に対して一義的な印象を与えるよう配慮された表現になっていること」です。

    書き上げた後、推敲を忘れず、ミスのない文章にしてください。また、余り多くのことが書き込まれていると、印象が弱くなってしまいます。読んで感激したことが多くあっても、そのなかから、特に良かったことを選択して書くことで、より強い印象を読み手に与えることができるでしょう。

    以上のようなポイントから今回の最優秀作品に選ばれた感想文は、ストーリーの紹介をしながら、本の魅力が上手に伝えられています。今回の入賞者が選んだ本は、どれも魅力的な本ばかりです。皆さんが、図書館にある魅力的な本に出会うことを期待するとともに、次回の読書感想文コンクールにはさらに多くの応募があることを期待しています。