2017年度 第7回読書感想文コンクール講評

その他

2017年10月29日
【講評】図書・情報センター長 岩本裕子
  • 10月8日の学園祭閉会式に合わせて入選作表彰式を行い、4人の学生(大学2名、短大2名)を表彰することができました。この式に参加できなかった2名の学生は、10月27日に浦和大学図書館で行われた「この本いいよ!」コンテスト(学園祭当日は、受賞作と得票数のみ口頭発表)の表彰式で、一緒に表彰できました。

    最優秀賞はネット上に全文が公表されていますので、ご一読ください。あとの3作品のうち、受賞者の了解を得た2作品は、図書館内に展示されています。ぜひ、図書館を訪ねて展示入選作品をお読みください。

    中学校・高等学校部門は、最優秀賞の鈴木里菜さんが、10月8日の表彰式にご両親と一緒にご参加くださいました。優秀賞の古川愛さんと、佳作の花谷音羽さんは、当日は英検受験のため参加できませんでしたが、後日併設校において表彰式をして下さったと伺っています。来年の感想文コンクールにも、ぜひまた応募してください。お待ちしています。

    本学学生のみなさんが、一日一度は図書館を訪れて、蔵書を手に取ってくださることに期待しています。来年度も行われる図書館行事(感想文コンクール、「この本いいよ!」コンテストなど)にも多くの学生が参加してくれますように!

浦和大学第7回読書感想文コンクール(中学校・高等学校部門)図書・紀要委員会による講評
  • 最優秀賞『君は月夜に光り輝く』 浦和実業学園中学校(2年)鈴木里菜

    作品の中に表現された抽象的な感情を、自己体験と比べることで理解していこうとする過程が見事だった。文章も分かりやすく、深い思索が読み取れた。新しいことに出会いながらも、過去の経験を大切にしていこうとする発想を今後も続けてほしい。

    優秀賞『キッチン』 浦和実業学園高等学校(2年)古川愛

    中学2年生の時に読んだ作品を、3年後に読み直すことで、同じ作品に対する自分自身の理解度を確認しながら、自らの成長過程をも明確にできている。1冊の本を通して、中高の3年間という多感な時期に、確実な成長を遂げた自分自身を再確認する様子が頼もしい。

    佳作『ツナグ』 浦和実業学園中学校(1年)花谷音羽

    「使者」にふられたルビ「ツナグ」に興味を持って読み始めたという作品を通して、「もし自分だったら亡き祖母に会いたい」という心優しい発想に好感が持てた。中学1年生という年齢で、自分の人生の生き方を思慮深く語っていて見事だった。

浦和大学第7回読書感想文コンクール(大学部門)図書・紀要委員会による講評
  • 最優秀賞『水色金魚』 こども学部(1年)飯村世界

    受賞者自身の体験に基づいて、過去に読んだことのある本書の読書体験に、自分自身が再度向き合おうとする姿勢がよく表現され、説得力のある作品となっている。「この本と歩んだ道」と題されたこの受賞作を書いたことで、受賞者の新しい人生がさらに拓けていくことを応援している!

    優秀賞『コーヒーが冷めないうちに』 介護福祉科(1年)星野妙子

    本書に書かれた4つの不思議な話のうち、二つ目の話に受賞者自身の体験を重ね合わせ、深く人生を考えている興味深い内容となっている。「人生をやり直すことはできないが、取り戻すチャンスはある」という結論を導き出せた本書と出会い、「誠実に過ごしていこう」という「学習」に好感が持てた。

    佳作『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』 こども学部(3年)川島綾夏

    「あなたは気付いていますか?」と題された本作は、受賞者が置かれた状況(家族を含めて)と感想文の対象作品とが密接に結びつき、自己発見していく過程がよく理解できた。「あたりまえの日々」に対する感謝に気付かされた本だという結論に説得される。

    佳作『筆談ホステス』 介護福祉科(1年)工藤真子

    「コミュニケーションは難しい」で始まるこの感想文で、聴覚障がいを持った著者の実体験が綴られた本書によって、受賞者は「不器用で、完璧でなくてもコミュニケーション上手になれる」ことを学習し、勇気を与えられ、多くを学んだという。感想文の内容が、複数の審査員から深い興味を誘い、高い評価を得た。