【こども学部の特色】こども学部1年生の授業「こども理解と観察」から(2)

こども学部

2019年2月26日
  • 2017年4月にこども学部に学校教育学科が開設されましたが、こども学科の学生と同様に学校教育学科の学生もこの授業を卒業必須科目として履修します。(1)でご報告しましたように、さる1月中旬に第5回目の「親子観察演習」で「ありがとうの会」を開催し、翌週には30コマの授業が終了いたしました。

    1年間のふり返りの学生のレポートには「この授業が必須科目で絶対良かった」「小学校の教諭になるために、この学びの意義がわかった」「Bちゃん親子さんの交流をみて、温かいご家庭なのだろうと思った」「自分も親の苦労にあらためて感謝したい」「乳児に接したことがなかったが、人間のこどもの成長が早いことがよくわかった」などが書かれています。

  • 2018年4月のBちゃん親子さん
  • 2018年7月「親子演習第2回目」
  • 2018年10月「親子演習第3回目」

  • 4月当初、学生にアンケートをとると、なかには「どうして小学校の教師になるのに、乳児の観察がいるのだろう?保育士や幼稚園教諭になるならわかるけれど」「小学生ならいいけれど、赤ちゃんや幼児は不得意だから、授業が不安」などというネガティブな声も聞かれました。しかしながら、そういった学生たちがこの1年間で、レポートに書いたように「小学校の教師になる人がゼロ歳児の赤ちゃんとその保護者の方と直接会って、その成長ぶりや親子の交流を観察する必要があるのか」という疑問への答えを自ら発見していました。

 

  • 今の時代、小さい子どもの世話をした経験のない学生はこども学科にもいて、まず慣れていないという理由によって、乳児にどのように接してよいかわからないということは当たり前のことです。それが、30コマの授業をする間に、何度か協力親子さんと相互交流することによって、徐々にその不安や緊張は緩み、次に親子さんに会うのがとても楽しくなってくるのです。

  • 小学校の教師がある児童について考えるとき、そのこどもの心身の状態やこどもを取り巻く環境について検討するでしょう。保護者(養育者)がどのような育てをされてきたか、子育ての苦労や喜びにその想いに馳せることができるでしょうか。この授業では、協力親子さんを通して、自分の育った歴史(自分史)や親との関わりについて知らないうちに意識することがあります。自分についての理解が気づきによって深まることは、小学校教諭になるにも、大切な作業であると私たちは思っています。