【こども学科】授業紹介:あそびと科学

こども学部

2021年9月4日
  • 今回は前期に行われた「あそびと科学」の授業についてご紹介します。授業担当の鶴ケ谷先生は、学校教育学科で「小学校理科」の授業を担当されていますが、幼児期のこどもたちにも「不思議!」「なぜだろう?」「面白い!」と思える科学的なあそびをたくさん経験してほしいと考えているそうです。なぜなら、そのような幼児期の経験が小学校以降の学びの素地をつくるからです。

    この授業は、科学的な視点を取り入れて幼児期のあそび・学びの体験を豊かにするだけでなく、近年注目されている「保・幼・小の接続」も視野に入れて展開されています。

    前期15回行われた授業のうち、今回は、「液体と液体を混ぜることで液体の色が変化する」ことを体験する授業を紹介します。具体的には、紫キャベツから抽出した液体と他の液体とを混ぜることで色が変化することを楽しみ、その不思議を味わいます。

  • 用意された液体はなんと13種類!重曹、クエン酸、酢、レモン、炭酸水、台所用洗剤、砂糖水、ポカリスエット、手洗い石鹸、シャンプー等、どれも生活に馴染みのあるものばかりで、幼稚園や保育園、また家庭でも新しい発見を楽しめる科学的なあそびです。学生たちも、どの液体と混ぜたらどのような変化が起こるのか、それぞれに予想を立てて楽しみながら実験に取り組みました。

    まずは、「これくらいの大きさかな?」「もっと小さくした方が良いかも」と真剣な面持ちで相談しながらビニール袋の中にちぎった紫キャベツの葉と食塩を入れ、手でしっかりと揉んでいきます。紫キャベツから抽出されたエキスに水を加え、それを13個のプラスチックカップにつぎ分けます。

    いよいよ13個のプラスチックカップの中の紫キャベツのエキスに、13種類それぞれの液体を加えていきます。すると、どうでしょう!液体の色が美しい青や緑色に変化するものが出てきました。さて、学生たちの最初の予想は当たったのでしょうか?学生も色の変化や、できた色の美しさに感動を覚えていました。

  • 実験終了後は、担当教員よりあらためて色の変化を起こした液体の性質について説明があり、その説明を参考にしながら、この活動を5歳児と楽しんだとしたら、色の変化についての「どうして?!」という5歳児の問いに、保育者としてどのように応えることができるかを考え合いました。

    このような、幼児期の経験を通した主体的な学びは、自然の事象への興味や関心を育て、豊かな心情や思考力の芽生えを培うことにつながっていきます。こども学科では、さまざまな授業で「生活やあそびを通してのこどもの学び」を実際に体験する機会を設けています。