学校教育学科の授業紹介 :「教育相談の基礎」(2019年度後期)担当:菅野陽子

こども学部

2020年2月19日
  • こども学部学校教育学科の3年生たちが受講する教職必須科目の1つに「教育相談の基礎」があります。去る1月に15回目最後の授業で、「クマ狩り」というゲームを体育館で実施しました。寒い冬の日でしたが、体も頭も使って参加者全員がエネルギー全開のホットな授業が展開されました。

    教育相談とは、「一人一人の子どもの教育上の諸問題について、本人又は保護者などにその望ましい在り方について助言指導することを意味しています。言い換えれば、子どもたちの持つ悩みや困難の解決を図ろうとするもの」ということになります(「生徒指導提要」)。

    この授業の目標は、その理論や技法の基礎知識をつけることですが、参加型の授業をこころがけています。また、学生自身が体験する授業では、生徒や教師の対話のロールプレイ、なりきり回答者(現実の教師への相談について解答を考える)や自己理解のためのエゴグラムなどを実施して、座学だけでは得られない学びを得るようにしています。

  • その流れで、児童生徒理解・日常指導に役立つ手法の1つの「構成的グループエンカウンター」という方法を学んだ際に、参考文献から児童に大好評の「クマ刈り」というゲームがあることを知って、学生のなかから「ぜひ、これをやってみたい」という声があがりました。そのため、授業数回を使って学生たち自身でアイスブレイク(緊張をほぐす演出)のためのエクササイズ(用意された課題)、ファシリテーション(「クマ狩り」をどのように実行するかなどの話し合い)を実施してから、行いました。

    「クマ狩り」は「クマはキツネを捕まえる、キツネはキジを捕まえる、キジはクマを捕まえる」といった三つ巴の鬼ごっこで、普通のものより複雑です。2組で互いの陣地を守りながら(宝もの)敵を捕らえて陣地に捕虜にします。

  • 作戦会議をする紅白2組
  • お面:Kさんの力作 合計20面
  • 自分の陣地にクマがいなくなるか、宝物が取られたら、そこで試合終了となります。1クラスを二つに分けて、紅白の鉢巻きをすることにして、クマ・キツネ・キジ役の目印は、お面を作成することにしました。

    このように1つのゲームをするプロセス自体が構成的グループエンカウンターの手法そのものであるわけです。そして実行の日になりましたが、学生たちは元気いっぱい、作戦を立てる、勝利への叫びをあげて2組は、激突!体育館を所狭ましと駆けまわり、試合そのものを全力で楽しみました。途中、メンバーの組替えなども自主的に行い、学校教育学科の学生らしく教育的な工夫をしていました。

    試合終了後はふり返りのミーティングを行いました。一番は学生自身がとても楽しめたという感想ですが、3つの役割があって、走ることが苦手な児童にもチームのために守ることや作戦を練るなど楽しめる平等性の高いゲームであるという意見が多くありました。

  • また、中心となるリーダー役は他者のことを考え、ひとを動かす力を育むことができる、仲間意識が芽生えるなど、ポジティブな気づきや学びがあったことがわかりました。

    このように体験学習は、実際に行うことで今後の「教育インターシップなどの学外実習」で応用したり、自分たちの仲間の所属感を深めたりと、学びを生かした経験へとつなげることができます。

  • 試合直前の構え!
  • 試合終了後の記念写真