介護福祉科の鄭講師の「認知地図」の研究を週刊誌が注目
短期大学部
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鄭 春姫講師は、日本社会事業大学の大学院で、人々が生活する空間の情報を意味する「認知地図」に注目して研究してきました。人々が認知地図を豊かに形成できることによつて、生活の質が変わるというのです。認知地図の形成に影響するものとして鄭先生が注目したのは、歩行のような自分で決めてゆっくりと行動するような移動です。
2019年5月9日に発刊された「女性セブン」は、「明日はわが身の伴走介護 N記者の実録奮闘記」の記事で、鄭講師の研究を引用して高齢者が外へ出ることの大切さを伝えています。
高齢者になると場所を把握する機能が低下します。さらに認知症になると、自分のいる場所が分からなくなり、ここがどこで、なぜここにいるのか理解できず不安な気持ちになってしまい、歩き回り迷子になってしまうことがあります。人には、自分のいる場所がどこかを把握するための「認知地図」があります。認知症の方が不安になるのは、「認知地図」が形成できていないことも要因と考えられています。
この不安を和らげるためにも積極的に外出を支援し、のんびり散歩を楽しみながら、意識して風景の中でランドマークとなりそうなポイントを指さして会話をし、興味をもってもらえるよう支援する「認知地図」を外出によって形成することが大切なのです。
鄭先生の研究は、人々の意識内部のメカニズムに注目して、生活の質を高めるスキルを開発する研究です。さらに、研究を広げていくことが期待されています。