こども学部の授業紹介:「児童と音楽B」(担当:田中 泉・永田砂知子)

こども学部の授業「児童と音楽B」では、保育の現場でもなじみ深い楽器を使って実際に合奏を行い、学期末には学内の「こどもコミュニティセンター」等で発表会をさせていただいています。 今回は、創作打楽器の演奏や美術家とのコラボレーションなど国内外でご活躍の打楽器奏者・永田砂知子先生によるワークショップの模様をご紹介します。

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打楽器奏者・永田砂知子先生のワークショップ

パーカッションは合奏の「スパイス」

「打楽器は、メロディもハーモニーも演奏できない楽器ですが、料理の最後の総仕上げとしてスパイスの役目を果たします。」と永田先生はおっしゃいます。いろいろな楽器をつかった合奏において「スパイス」のように料理を引き立てる打楽器。また、同じメロディであっても、そこにどのような「スパイス」を加えるかによって、できあがる合奏は一味違ったものになります。「料理がうまくできて、さあ、仕上げにスパイスを、と言って、そこで入れるものや量を失敗すると、すべてがダメになってしまうわけです。そういう怖い楽器だということを知ってほしいです。」

――今回はそうした奥深い打楽器の世界を体験するワークショップを行っていただきました。

簡単な楽器こそほんとうは難しい~いろいろな楽器の奏で方~

「打楽器というと『打つ』という字を使っているので、叩くイメージが強いですが、振る(マラカス・シェーカー・鈴など)擦る(ギロ)など、様々な奏法があります。」いろいろな楽器の奏で方について、先生に引き続いて実際に音を出してみました。保育の現場でよく使われている打楽器は、叩いたり振ったりすれば簡単に音が出ると思ってしまいがちですが、ちょっと意識をするだけで違った音が生まれます。「マリンバをうまく弾くことより、シェーカーを上手におしゃれに振ることのほうが、案外大変だったりします。簡単な楽器だ、とバカにせず、探求していくと奥が深いですよ。」
(写真1「シェーカーは、縦に持つと音がジャラジャラして決まらないので、横にして持つほうがいいですよ。」)

また、たとえばトライアングルひとつとっても、小・中・大とサイズの違いによって音の高さ・音色が異なること、さらに叩く位置によって音が違ってくることを体験しました。「自分でいろいろと実験して聴き比べてみる」楽しさは、ぜひ子どもたちとも分かち合いたいものです。(写真2「トライアングルは、この辺を叩くと、かわいくてきれいな音がします。」〔下の真ん中あたりをたたくと、倍音の多い音が出て少し濁った感じになりやすい〕)

合奏を支えるビート~いろいろな楽器をつかって刻んでみよう~

小太鼓や大太鼓、シンバル、トライアングルなどを組み合わせてマーチやワルツのビートを刻むことができます。あるいはドラムセットも使えますが、音が大きいので、曲の雰囲気によっては使わない方がいい場合もあります。演奏したい曲の感じをよくとらえて、どのような楽器がいいか、どのようなビートが合うのか、自分の耳でよく聴きながらビートをつくっていくことが大切です。(写真3「タンブリンとドラムセットで、一緒に16ビートを刻んでみます。」)

保育の現場で活躍する打楽器

保育者が子どもたちに向けて弾く楽器としては、ピアノやギターがまず思い浮かびますが、打楽器も保育の現場でさまざまに活用できる楽器です。打楽器の良さとは?永田先生にうかがってみました。「打楽器の効用は、手持ちできるので、自由に移動でき、子どもの輪の中にもどんどん入ることができ、身体全体で子どもリードできる、といったところでしょうか。ピアノだと楽器が大きいので、先生の表情などが見えにくいですが、例えば、タンブリンだけだと、顔を含め先生の全体が子どもたちにストレートに伝わり、また先生からも子どもたちの表情がよくわかるので、『音遊び』をしたり、『わらべうた』をうたうときなどには、こどもとの距離が縮まっていいでしょう。」

1月には・・・

これから「児童と音楽B」では、1月の発表会に向けて各クラスごとに合奏に取り組みます。演奏する曲を決め、そのメロディにあう打楽器を選び、リズムパターンやビートを考えて、と自分たちで工夫しながら合奏をつくりあげていきます。次回はその演奏会レポートをお届けする予定です。


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