【介護福祉科】活躍する卒業生【第4回】 中山 龍さん

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祖母を受け止められなかった後悔を仕事に活かす

介護老人保健施設 グリーンビレッジ安行勤務 中山 龍(なかやまたつる)さん(浦和大学短期大学部介護福祉科2005年3月卒業)

中山さんが介護の仕事を志した原点は、お祖母さんとの生活にあります。長野県出身の中山さんは、中学、高校のころお祖母さんと一緒に生活していました。中山さんが高校生になったころ、お祖母さんが食事のときテーブルに食べ物をこぼしてしまったり、中山さんの部屋はちゃんと掃除してくれるのに、自分の身の回りはちらかしたままといったことが見受けられるようになりました。当時何も知らなかった中山さんは、そんなお祖母さんに対して、強い口調で注意をしてしまったそうです。

お祖母さんが認知症であるのことを中山さんが知ったのは、叔母さんがお祖母さんの変化に気づき、特別養護老人ホームで生活してもらうことが決まった後でした。自分に優しくしてくれたお祖母さんが、認知症という病気にかかっていることに気づかず、強い口調で注意ばかりしていたことを申し訳なく思い、胸が痛んだといいます。「ばあちゃんには本当に申し訳ないことをした。その分、他のお年寄りの人に役に立つようにしたい」という強い思いが、中山さんが介護の道を選んだきっかけになったとのことです。

生まれ育った長野県をはなれ、埼玉県にある本学への入学を決めたのは、介護について勉強できる学校を選ぶうえで高校の先生から「一度は親元を離れて生活した方がよいのでは」とアドバイスをもらったことがきっかけとなりました。長野から埼玉へ来て初めて通学するとき、学校へ行くためのスクールバスあることを知らずに、東川口駅からびっしょり汗をかいて大学まで歩いてきたのは、懐かしい思い出だということです。
 授業の中で、認知症の人に対してダメと言ってしまうと、余計に状態が悪化してしまうことがあるので、先ず認知症の方の行動を受け入れなくていけないことを学んだことは、今でも心の中に刻まれていて、日々の仕事の中で意識していることの一つだといいます。

本学の介護福祉科を卒業し就職した介護老人保健施設で3年目をむかえる中山さんですが、介護の仕事の魅力は、対応が十人十色であることだといいます。利用者さんに対する介護は障害や病状によって異なり、その人の状態に合わせたものを考えることが難しさでもあり、おもしろさでもあるそうです。

休みで中山さんが数日職場に顔を出さないと「どこをほっつき歩いとったの?何をしとったの?」と利用者さんに口々に言われるそうですが、自分に会うのを楽しみにしてくれている人がいることも励みになっていて、「利用者さんの言葉に、毎日癒されています。」といいます。

中山さんは老人保健施設の職員として、利用者の方が少しでも自分の力でできることが増えたり、在宅での生活が可能になったりといった、自立の度合いが高まるための支援に努めています。時には介護されることに慣れてしまい、自力のための支援を「厳しい」と受け取られる人もいるといいますが、それでも自分自身の力でできるようになることを心がけているといいます。

最後に、ある利用者さんが病院に入って亡くなられた後、ご家族の方から「中山さんは、家族の前でもきびしくしてくれました、それば本当の愛情だと思います。中山さんと一緒に過ごした時間は、おばあちゃんにとって幸せな時間でした」と涙を流しながら感謝されたことが、心の中の支えとなっていることを語ってくれました。


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