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【映画コラム・#14】ハリウッド俳優たちが提案する”Time is up!”という発想・・・

図書・情報センター長、こども学部教員、岩本裕子(ひろこ)による、映画コラム14回目として、夏休み前に一つ情報をお届けします。

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高校生はすでに夏休みで、オープンキャンパスでは沢山の高校生が元気な顔を見せてくれました。次回の8月8日もお待ちしています。大学はまだ前期が終わらず、8月6日が試験最終日、夏休みはその翌日からです。大学生は、前期最後の試験を頑張っているところです。

7月10日に書店店頭に1冊の季刊誌(四季ごとに1冊、年間4冊発行する雑誌)が並びました。『季論21』夏号です。この季刊誌に依頼されて、映画関連の論文を書きましたので、ここに報告します。論文のタイトルは、「アメリカ映画の『暴力』性:時代を映す『鏡』としてのハリウッド映画」です。これまで、この映画コラムでもお話ししてきたことを引用しながら、『季論21』編集委員会からの依頼に応えました。

「近年のアメリカ映画はいとも簡単に人を殺している。そこにアメリカ戦後史がいろいろな意味で反映しているのではないか」という問題提起を頂いたのですが、その議論はみなさんには難しいかもしれないので、ほんの少しだけ情報提供をしたいと思います。

去年秋に、ハリウッドでいわゆる「セクハラ」(sexual harassment)告発が起こったという報道があったことを覚えていらっしゃるでしょうか?ハリウッド女優たちが、長い間の「沈黙」を破って声を上げ、勇気を持って最初に告発した女性を孤立させず、「自分もそうだ」と賛同したのです。そうしてそれは、一つの運動に結びついていったのです。ネット空間では#ME TOO 運動と呼ばれて、その運動を支える男優たちが、セクハラを「もう終わりにしよう」(Time is up!) と、支援も続けるようになりました。

世界中にこの運動が周知されたのは、2018年1月7日に開催されたゴールデン・グローブ賞授賞式でした。参加した女優たちは皆黒いドレスを身にまとい、男優たちはTime is up! のバッジをつけて集いました。同賞が設定する「セシル・B・デミル生涯功労賞」受賞者によって#ME TOO 運動が、世界へ発信されたのです。

トランプ大統領就任直前に開催された2017年1月、同賞受賞者のメリル・ストリープのことを、「第89回アカデミー賞授賞式分析2:女優メリル・ストリープ」で紹介したのは、この映画コラム第6回、2017年3月のことでした。あの1年後、2018年に同じ「セシル・B・デミル生涯功労賞」を受賞したのは、バラク・オバマを大統領にしたと評価された黒人女性オプラ・ウィンフレイでした。2013年3月に、ブロードウェイ大通りに飾られていた写真を写したものを冒頭でお見せしました。

メリル・ストリープ同様、オプラ・ウィンフレイは世界中に勇気を与える受賞スピーチを行い、#ME TOO 運動を世界に発信したのです。『季論21』夏号では、「セクハラ・パワハラ」に関する難しい議論を展開しましたが、ここではそれに触れることは止めておきます。つらい思いをしている人(セクハラを受けた人)をそのままにしないこと、「私も同じだったよ。一緒に立ち上がろう!」という運動、それがネット空間において#ME TOO 運動として、いい方向に拡散しています。

何か辛く嫌な経験をした人が、一人でじっと我慢しなくていいのだという発想を、ハリウッド俳優たちが提案してくれたことを、みなさんには知ってほしいのです。夏休みには、沢山の本を読んだり、映画を見たり(日本語吹き替えでなく英語で見てください!)する時間を確保できますね。アルバイトや遊びで忙しい夏休みにも、脳みそをしっかり働かせて、「考える夏」を過ごしてほしいと思います。

こども学部での私の担当科目である「歴史入門」や、「英語コミュニケーションA(こどもの文化)」「英語コミュニケーションB(日常会話)」の試験終了時には、「前期に勉強したことを時々思い出しながら、考える夏を過ごしてください!」とお別れメッセージを送る予定です。大学生の前に、このHPコラムを通じて高校生にも同じメッセージをお送りします。

8月6日4限「歴史入門」の試験を終えた私は、翌朝には成田からアメリカ出張に出発します。首都ワシントンで5日間、ニューヨークへ移動して7日間、国会図書館とニューヨーク公立図書館ハーレム分館で史料を読んできます。帰国翌日となる8月19日には、一日オープンキャンパスでお目にかかります!


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