【総合福祉学部】第1回「活躍する先輩を訪ねて」岡安史人さん

活躍する先輩を訪ねて」は、本学で福祉に関する知識・技術を身につけ社会で活躍している卒業生の方の職場を訪ねるレポート企画です。現在の仕事の内容をうかがいながら、大学で学んだ福祉の知識がどのように活かされているのかを紹介していきます。また仕事のやりがいや今後の課題についてもうかがってみました。第一回は、上尾市社会福祉協議会にお勤めの岡安史人さんです。

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地域の人がよりよく暮らせるために貢献したい

上尾市社会福祉協議会 福祉作業所「かしの木園」勤務岡安史人さん(総合福祉学部2008年3月卒業)

社会福祉協議会の仕事と「かしの木園」の役割

社会福祉協議会は、地域に暮らしている人たちが安心して生活できるよう支援することが主な仕事になります。上尾市社会福祉協議会は事務局内に、総務課、地域福祉課、在宅福祉課の3つの課と岡安さんが配属されている、かしの木園が設置されており、様々な福祉サービスを行っています。

かしの木園は福祉作業所として20年前に設立され、18歳以上で身体的な障がいまたは精神的な障がいがある方を対象に、職業能力を身につけるための支援を行っている施設です。具体的には、障がいをもった利用者(園生)の方が、廃棄となったアルミ缶のプレス作業や工場などで使用される機械手入れ用の雑巾(ウエス)の製作などを行っています。

作業支援の他にあるもう一つの大切な役割

岡安さんはウエス製作班に配属となり、園生の作業の補助のほかリハビリなどの生活支援を行っています。園生の中には手だけしか自由に動かないといった重度の障がいをもつ方もいます。こうした方でも作業できるよう、ウエスの材料となる布を手元に渡すといった補助が必要となります。

しかし作業の補助以上に大切なのは、園生の園内での生活支援だそうです。障がいの度合いよって、着替えや食事、排泄の介助などを行っています。また発作がある方の場合には家庭との連絡が非常に重要になります。

岡安さんは現在、3名の園生を担当しており、園生の家庭との間で、その日の作業内容の他、食事や排泄など園内での生活の様子についても細かに家庭との連絡用ノートに綴り報告しています。このノートは岡安さんから一方的に報告するだけでなく、家庭での様子についてご家族の方から書いていただき、それを踏まえながら園内での接し方や体調の変化などに気を配っているとのことです。園生の体調は日によって異なるので、顔色が悪かったり、足取りが重かったりといった、日々のちょっとした変化にも留意しています。

大切なことは「相手をよく知る」

現在の仕事の中で岡安さんが最も大切にしているのは、園生とのコミュニケーションだといいます。障がいをもつ方は、心がデリケートな人も多く、話す相手の話し方や表情にも敏感に反応します。そのため岡安さんは、その相手についてよく知ることを強く心がけています。

例えば家庭との連絡用ノートを使って、園生の家庭での様子や呼ばれている名前を聞き、園内にいる時にもなるべく家庭とのギャップが出ないように工夫したり、先輩職員のコミュニケーションの取り方を見たりして、その技術を少しずつ身につけるよう努めてきたそうです。「入職したての頃を考えると、最近はコミュニケーションの取り方も徐々に分かるようになり、作業に飽きてしまう園生をやる気にさせるためのコツも少し分かってきました」と笑顔で語ってくれました。何気ないことですが、園生と一緒に笑って話をしている時に仕事への充実感を感じるそうです。

高齢者施設での実習経験が今の仕事に活きる

大学時代に学んだことで、今の仕事に役立っていることを尋ねると、すぐに「高齢者施設での実習」という答えが返ってきました。岡安さんは大学時代に老人介護施設へ2回実習に行き、介護に関する知識と技術を身につけました。高齢者の方の介護は肉体的にも精神的にも厳しい部分がありましたが、在学中にこうした経験を積むことができたことは、現在の仕事で園生の園内での生活サポートをするうえで非常に役立っているといいます。

その一方で、自立支援法など障がい者に関連した法律や病気などについては、大学で学んだものの、もっと詳しく学んでおけば良かったと思っているそうです。

様々な福祉に関する問題にも取り組みたい

これからの目標について尋ねたところ「他の職員の方から頼られる存在になりたい」と少しはにかみながら答えてくれました。今はまだ知識も経験も不足していて、自分が担当している園生の対応で先輩職員の方に相談したり、助けてもらったりしてもらうこともありますが、先ずは自分が任せられている仕事を確実にできるように努めていきたいとのことです。
 さらに将来は、社会福祉協議会の各部署の仕事を全て一通り経験したうえで、地域福祉に関する仕事に携わりたいといいます。地域福祉に関する仕事は、地域ごとの支部に分かれ、その地域の支部長や区長、民生委員の方々と協力しながら、地域で暮らす人たちがより良く暮らせるために問題解決や改善を図っていく仕事です。対象も障がい者だけでなく、子どもやお年寄り、生活困窮の方など幅広い対応が求められます。特に最近では少子・高齢化の進行や経済状況の急変などにより福祉に求められる課題も多岐にわたっています。こうした課題に取り組み、一つ一つ解決を図っていくような仕事に携わりたいと思っているとのことです。

【取材後記】

取材を終えた後、岡安さんに施設を案内してもらいました。行く先々で職員の方や園生に声をかけられている岡安さんの姿を見て、普段から心がけているというコミュニケーションが実を結んでいるということが良く分かりました。皆からかけられる声には、岡安さんへの親しみや期待が込められているのだということを感じました。

また今回の取材を通じて、社会福祉協議会の仕事が多岐にわたるということを再認識しました。岡安さんの勤務されている上尾市社会福祉協議会は、かしの木園以外にも様々な活動を行っています。活動内容については下記ホームページに掲載されていますので、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか?

【上尾市社会福祉協議会ホームページ】:http://www.ageo-shakyo.or.jp/


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