2013年度入学式・学長式辞

春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛しむ

新入生の皆さん、また、ご列席のご家族の皆さま、ご入学おめでとうございます。私たち浦和大学の教職員は、在学生とともに、皆さんのご入学をお祝いし、心から歓迎いたします。また、本日の入学式には、後援会会長の松永光様をはじめとして、多数のご来賓の皆様にご臨席を賜りました。心から厚くお礼を申し上げます。

今年度の入学者は、大学と短期大学部を合わせますと229名になります。総合福祉学部は70名、こども学部は106名、介護福祉科は53名という内訳ですが、社会人の方は、全体で10名います。仲良く学生生活を送ってくれることを期待しています。

さて、本日の入学式にあたり、新入生の皆さんに対して私は三つのことを申し上げたいと思います。一つ目は、私たちの学園並びに大学の歴史と建学の精神を知っていただきたいということです。本学園の歴史は、昭和21年、すなわち西暦1946年に、故九里總一郎先生が、珠算・簿記・英語の指導を行う私塾を創設したことに始まり、学園として、67年という長い伝統を誇っています。また、大学の歴史は、1987年に、現在のキャンパスのあるさいたま市緑区大崎に浦和短期大学を開設したことが始まりで、その後、2003年に四年制大学として総合福祉学部を設置し、その4年後にこども学部が開設されました。このように、短期大学部は27年、大学は10年という歴史を有しています。

創設者である九里總一郎先生は、学園の創設に当たり、敗戦直後という当時の時代風潮を踏まえ、「国の復興にすぐに役立つ人材の育成をしたい。そのような学校をつくりたい」という志を込めて、「実学に勤め徳を養う」という校訓を定めました。校訓とは、いうまでもなく〈建学の精神〉に他なりません。以来、今日まで長きにわたって、この言葉は大切に伝えられてきています。それでは、「実学に勤め徳を養う」という言葉の意味を説明しましょう。皆さんには、オリエンテーションの時に、スチューデントハンドブックという冊子が配布されますが、その中には次のように書かれています。

《「実学に勤め徳を養う」は、福沢諭吉先生の『学問のすすめ』の中の言葉に由来する。実業に役立つ学問から、この世で実際に役立つ学問、または役に立つ人間になること、更には世の中の進展に対応できる人間になることが実学教育の基本であり、目的である。》

このように書かれています。大学を卒業した後の皆さんに対して社会が求めるのは、答えの判った単純な問題を短時間にたくさん解くことではありません。未経験な複雑な課題に直面したとき、自ら解決し実行する能力であり、それこそがまさに「実学」の精神なのです。また、「徳を養う」とは、幅広い知識に基づいた豊かな人間性を身につけることであります。皆さんが大学に入学するにあたって、自分の専門として選択したものは、一人ひとり異なりますが、そこに共通して求められているのは、対象が高齢者であろうと、幼児であろうと、つまるところは「人」との関わりであります。従って、「人」とどのように関わり、どのようにコミュニケーションをとれば良いのか、そういう時の「心の持ちよう」はどうあれば良いのか、ということがとても重要な課題となります。それには、挨拶することからはじまり、思いやりの心、感謝の心、奉仕の心、マナーを守る心などを自ら育むことを通して、豊かな人間性を形成することが大切となります。これが「徳を養う」ということに他なりません。本学の正面に設置してある校訓碑に、「何を知っているかではなく、何ができるか。世のため人のために自己を生かしきる」と記されていますが、この言葉は本学園のめざす教育の理念を端的に表現しています。今日の入学式にあたって、本学園の建学の精神を理解し、それに基づく実践力・行動力を身につけていただきたいと思います。

二つ目は、皆さんは、どのような夢や希望を抱いて浦和大学に入学されたのでしょうか。「学問はまず立志から」という言葉もあるように、先ずは、目標・夢・希望をしっかりと見極めてください。そして、その実現のために努力を惜しまないでください。与えられた課題をこなすだけでは夢や希望は実現できません。自ら主体的に学ぶという姿勢が重要であります。どうぞ、幅広い教養を深めるとともに、専門分野に関する基礎的知識を貪欲に吸収してください。学生生活は本日からスタートする訳ですが、最初の1ヶ月は新しいことの連続で戸惑うことや不安を覚えることもあることでしょう。しかしながら、何事であれ、先生方に積極的に相談をして下さい。浦和大学の教職員一同は、夢や希望の実現のために邁進する皆さんを全力で支援いたします。

私の申し上げたいことの三つ目は、先ほども触れましたが、大学での学びを有意義なものにするためには、高校時代の勉強の仕方とは一区切りをつけて、意識や姿勢を転換させることが大切だということです。つまり、自分自身で問題を発見し、解決する力を養うことこそが大学での学びの核心です。重要なことは、「覚える」ことから「考える」ことへと、学びの重点を移行することであります。大学は、教師から学生への一方向的な、いわゆる教室における講義を受けるだけの場ではありません。広く社会の現実に目を向けて、自主的に自分で考え、必要な知識や方法を自ら求めていくことが問われます。自ら考えようとしないかぎり、大学生活はつまらないものになってしまいます。皆さんが自ら考える勉学態度と実践力を一日でも早く身に付けることを期待しています。皆さんは、これからの勉学の過程で、疑問に思うことや理解できないことなどが当然起こってくるはずですが、そういうときは遠慮なく積極的に先生方に質問するようにしてください。皆さんの様々な質問は、先生方にとっても授業方法の改善に役立ちますし、また、質疑応答は授業を活性化し、他の学生にとっても大変良い勉強になります。

皆さんは、これから、4年間あるいは2年間の大学生活を送る訳ですが、サークル活動、学友会活動、ボランティア活動などの課外活動も貴重な学びの体験となります。これらの体験を通して、先輩を含めて多くの学生達との新しい出会いがあり、様々な人間関係を築いていくことでしょう。その心構えとして、「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛しむ」という言葉を覚えておいてください。「人と接するときは春の風のように優しく温かくすべきであり、自分に対しては秋の霜のように厳しく律しなければならない」という意味です。どうぞ豊かな人間関係を築いてください。皆さんのこれからの本学での学生生活が、意義深く、そして、充実したものになることを祈念して、私の式辞といたします。

2013年4月2日
浦和大学・浦和大学短期大学部
学長 大内 誠


資料・願書請求(無料)はこちらから