2012年度学位記授与式・学長式辞

社会人として逞しく、健康で悔いのない人生を。

本日ここに多くの来賓の皆様のご臨席を賜り、2012年度の浦和大学並びに浦和大学短期大学部の学位記授与式を挙行できますことを、大変嬉しく思います。

只今、学位記をお渡しした卒業生170名の皆さんが、わが浦和大学並びに浦和大学短期大学部から新たな世界に巣立っていかれることに対し、本学の教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。また、この日に至るまで皆さんを支えてくださった多くの方たち、とりわけご家族の皆さまに対しましても、心よりお祝を申し上げます。

皆さんは、本学において、4年間または2年間を過ごされ、数多くの試練を乗り越えて、本日めでたく学位を取得されました。学位取得は、皆さん自身の研鑽と努力の成果であることはいうまでもありませんが、その皆さんを経済的・精神的に支えてこられた保護者やご家族への感謝の気持ちを忘れてはなりません。また、共に学んだ友人やサークル活動における先輩、後輩からの温かい励まし、多くの教職員からの直接的・間接的な指導や支援に対しても、感謝の気持ちを新たにしてほしいと思います。

私たち教職員は、「福祉・保育・幼児教育・介護福祉の分野における専門的知識を身に付けるとともに優れた実践力を兼ね備えた人材を育成する」という教育目標のもと、皆さんが卒業後に実社会へ出ても、それぞれの専門分野で活躍できるように指導し、その成長の手助けをしてきました。卒業後は、本学で培った専門的知識や幅広い学識を生かして、社会に貢献することはもちろんのこと、人間としてもさらに大きく成長するよう一層の努力をしてください。

さて、卒業にあたって、私は皆さんに「四つの言葉」についてお話したいと思います。

一つ目は、昨年、ノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学の山中伸弥先生の言葉です。

山中先生の語った言葉の数々は、いずれも私たちの心にしみとおりましたが、その中から、これから社会で活躍する皆さんにとって特に励みとなる言葉を紹介いたします。山中先生は、「失敗しないと成功はできない。高く飛ぶためには低くかがむことが必要だ。苦しいときに、もう一歩だけ前に行くことを考えることが大事である」と述べておられました。皆さんは、これから職業人として仕事に就くことになりますが、困難に直面したり、失敗をすることも数多くあるはずです。あるいは、新しいことに挑戦することもあるでしょう。そういう時は、ぜひこの言葉を思い起こして、己を奮い立たせて欲しいと思います。

二つ目は、これも山中先生の言葉ですが、先生は留学中に恩師から、科学者として成功するには「vw」という二文字が大事だと教わったということを語っていらっしゃいました。

vは「ビジョン」、wはワークハードの頭文字で、その意味するところは「長期的な展望としっかりとした目標を持ち、懸命に努力を重ねればその一念は必ず叶う」ということです。科学者に限らず、どんな職業においても、その道のプロフエッショナルとなるからには、しっかりと目標を持ち、それに向かって懸命に努力することが大切です。

三つ目は、「絆」ということばです。

東日本震災が起きて2年が経過しましたが、それ以来私たちはこの「絆」という言葉を何度も口にし、また耳にしてきました。この言葉の響きは、いうまでもなく被災地の人々との関係性を超えて、人間関係全般に係わる広がりを持っています。皆さんは、これからの人生において、多くの人々と様々な人間関係を築いていくことでしょう。特に、皆さんの多くは、高齢者や幼児、そしてその家族の方々との関わりを持つことになります。「絆」という言葉は昔から存在する平凡な言葉ではありますが、あの大震災はこの言葉に特別な重みをもたらすことになりました。この重みを皆さんもしっかりと受けとめ、日々の仕事の中で生かし続けてほしいと願っています。

四つ目は、「春風を以て人に接し、秋霜を以て自から粛しむ」という言葉です。

これは、江戸時代の著名な儒学者佐藤一斎が、その著書「言志四録」の中に記しているものですが、「人に接するときは春の風のようにやさしく温かくすべきであり、自分に対しては秋の霜のように厳しく、つまり甘えを排して自らを厳しく律しなければならない」という意味です。職業に就いたならば、平穏無事な日々ばかりでないことはいうまでもありません。自分の意志が相手に伝わず辛い思いをすることも多いでしょう。そういう時は、この言葉を思い起こし、常に春風のような温かい心で人に接することを心がけてください。そうすることによってこそ、仕事に対する希望や誇りを持ち続けることができるはずです。

学校というところは、決して、現役の学生と教職員だけのものではありません。卒業生は大学の重要な構成員の一部です。皆さんが通い続けた、大崎のキャンパスに、どうぞいつでも元気な姿を見せにきていただけることを期待しています。私たち教職員は、いつでも皆さんを心から歓迎します。

卒業生の皆さん一人ひとりが、自分で選んだ新しい道において、社会人として逞しく活躍されること、また健康で悔いのない人生を送られることを祈念して、私の式辞といたします。

2013年3月15日
浦和大学・浦和大学短期大学部
学長  大内 誠

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