【総合福祉学部】授業の紹介!「レクリエーション実技」

今回は植屋先生が受け持つ、総合福祉学科の「レクリエーション実技」という授業にお邪魔してきました。

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「浦大にはスゴい先生がいる」

浦和大学には、誰もがみな口をそろえて「あの先生は凄い」と言う先生がいます。 先日の「咲いたまつり」や「緑区・区民まつり」のダンスプロジェクトチームなど、様々な活動でお馴染みの植屋先生です。

さて、教室に入ってまず1つ驚いたことがありました。 基本的に大学の講義には決まった席がなく、好きな席に座れるため、何人かは後方に座っている生徒がいるものだという印象がありました。 ですが誰ひとり、1列もあけることなく教室の前方へ着席していました。 今の時代にこれほど学生との距離が近い先生はなかなか見られないと思います。 植屋先生の求心力、うーん、スゴい。

レクリエーション実技って?

一言で「レクリエーション」と言っても実に多様なことが思い浮かびますが、今回は絵を描くことを用いた授業でした。一般的なレクリエーションと違うところは、あくまで「福祉のレクリエーション」だという点です。

そして今回の授業の内容は、プリントに描かれた様々な絵から1~2つ選んで模写するというもの。肝心なのは、ただ単純に模写するのではなく、その絵から伝わってくる感情や意味などを見い出すというものでした。 例えばフクロウの絵に深く思いを巡らせて「独り」という言葉や「寂しさ」などの感情。セミの絵から「命」や「儚さ」。果物の絵から「生きる」などの意味を生徒なりに探させるというものでした。 先生は「美術学校で何年間もかけて絵を習うより、人としてずっと為になる豊かな感性を得られる」とおっしゃっていました。植屋先生の言葉はいつもリアルで、そして直感的で心に響きます。

絵を習っていたの?

学生たちの絵は皆とても上手く、本物の様に描けていました。学生に話を聞いてみると「絵なんて習ったことはないけれどモデルに思いを巡らせてみると、『らしさ』が出る描き方が伝わってくる」とのこと。 また、「絵は”描くこと”が一番大事だと思っていたけれど、その前に”知る”という最も大事なことがあることに気づいた」という話もありました。なるほど、確かにこれは福祉や介護にも深く通じるものがありますね。福祉を学ぶ学生に「模写」がこれほど相応しい授業だったとは。

※ 以下の文章は植屋先生の授業で使われていたプリントに書かれていた文です。模写などのレクリエーション実技が福祉に活かせられる理由や意味がよく分かるので掲載させていただきました。

模写から始める絵画指導

知的ハンディをもつ青年の授産所で仕事をするようになって10年余り。現場での仕事だけでは飽き足らず、土曜日と日曜日に彼らの中から有志10名ほどで絵を描く時間をもつようになった。絵が特に好きな者、あるいは上手な者という関係からではなく、仕事を離れて一緒に楽しめるときと場所をもつという、そんな気楽な出発であった。

継続するということは、思いがけない発見と効果を感じさせてくれる。授産所では見ることの出来なかった彼らの好みや不満を、絵を通して感じることができるようになったのである。――(中略)―― 私には、絵画表現というのは、明るく元気にとか力強さを求めるものではなく、彼らがその表現を通して内在する自己を表出する開放感が大切だと思うのである。もちろん私自身にとって、7年間の仕事仲間という関係の後で作品作りをしているという、短期間の学校教育ではもてない環境から出発しているという利点があると思われるが、ここで1例としてYくんの絵を通して彼との絵画作りを紹介したい。

Y君は自閉症というハンディがある。――(中略)――彼には当初、字を中心に書いてもらっていた。太い筆の腰を完全につぶした筆先で強弱のある柔らかな字を描き出すのがおもしろかったからである。いろんな詩を書いてもらったが、金子みすずの詩が特におもしろかったし、彼も気持ちよく書いていた。ある時、「大量」という詩を書いてもらったら、下半分が大きく空いていた。そのまま切り取ればそれなりにいいものだったが、試しに図鑑のいわしの絵をみせて、下の空間に描いてもらった。すると彼は横一列にいわしの大群を黙々と描き連ねていったのである。ユーモラスで柔らかな筆法でどこかもの悲しい味わいは、私には金子みすずの作品をより一層際立たせたように思えた。――(中略)――
 たまたま手元にあった「芥子園画伝」を彼に与え、人物編のところを順番に描くようにさせてみた。彼は連日15名分ほど描写しだした。我々がおそるおそる忠実に描き写す情けない絵と違い、彼は驚くほど大胆な省略と強調の筆さばきで、夏休みが終わるころには全人物を描き終えた。ここでは、彼の人物を見る目の優しさとやわらかさが、私には生き生きと伝わってきた。そして何よりも、その後の彼の描く絵が、花や人物にしても、対象を見ることに注意深くなった。教本主義の悪例とした模写指導のありかたが、逆に物を見つめて描くことに効果があることを知らされた。


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