福祉業界お役立ちコラム

介護福祉士とヘルパーの違いとは

介護福祉士とヘルパーの違いとは

介護福祉士は、病気や障がいにより日常生活が不自由な人に対し、食事や排泄、入浴などの介護を行う国家資格です。高齢者や身体障がい者が入所する施設をはじめ、デイサービスなどの通所施設、在宅介護センターなど幅広い分野で活躍が見られます。類似する資格として、在宅介護を専門とするホームヘルパーが知られていますが、平成25年4月より在宅・施設を問わず介護に従事できる人材を育成する「介護職員初任者研修」または「実務者研修」に改編されています。

仕事内容の違いは?

「ヘルパーさん」という呼び名で知られているホームヘルパーは、介護保険制度が誕生する以前から、病気や障害により家庭内の家事に支障を来す場合に派遣される「家庭奉仕員」として活躍していました。平成3年にホームヘルパーの呼び名に変更されると同時に、ホームヘルパー1~3級の階級分けと、それぞれを養成する研修制度(訪問介護員養成研修)が導入されました。その後、平成12年に誕生した介護保険制度では、介護保険制度下で訪問介護に従事できる専門職の一員として、訪問介護員養成研修修了者(ホームへルパー1級・2級修了者)が明記されています。

一方、介護福祉士は昭和62年に制定された介護福祉士法により誕生した国家資格です。その定義は、心身の障害により日常生活を営むのに支障がある者に対して心身の状況に応じた介護を行うと共に、その者または介護者に対して介護に関するアドバイスを行うとされています。一見、ホームへルパーの仕事と同様のように捉えられますが、介護福祉士は訪問介護だけではなく、施設介護、通所介護など職域を問わず介護に従事できる特徴があります。また、介護全体の指導的な立場として活躍できる人材として養成される点も注目すべきところです。

必要な資格の違いは?

ホームヘルパー1級・2級の養成研修は、平成25年3月末に廃止されています(ホームヘルパー3級は平成21年に廃止)、平成25年4月からは、ホームヘルパー2級に相当する「介護職員初任者研修」、1級に相当する「実務者研修」が新設されています。ホームヘルパーとして訪問介護業務に従事したい場合は、最低でも介護職員初任者研修を修了していると良いでしょう。なお、既にホームヘルパー1級・2級の資格を持っている場合は、新たな資格取得の必要はありません。
介護福祉士として介護に従事したい場合は、厚生労働省が指定する介護福祉士養成校を卒業するか、3年以上の介護実務経験および実務者研修を修了した上で、介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。

どちらの資格を目指すのが良い?

介護職員初任者研修および実務者研修を修了すれば、訪問・在宅問わず介護の仕事に就くことができます。しかしながら、給与面や社会的な信頼の面から見ても、介護福祉士の資格を取得していた方が断然有利となっています。介護福祉士として5年以上の実務経験があれば、介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格が得られ、さらなるキャリアアップを目指せます。

同じ介護の仕事でも、ホームヘルパーと介護福祉士では職務内容が異なります。介護職として、よりやりがいを持って働いていくためにも、介護福祉士の資格取得を視野に、勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。

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