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介護福祉士国家試験の難易度

介護福祉士国家試験の難易度

介護福祉士は、身体または精神の障がいがある人に対し、心身の状態に応じた介護を行う専門家です。単に食事や入浴などの介助をするだけではなく、医師や看護師など専門職と連携しながら、介護を必要としている人や、そのご家族の暮らしがより良い方向へ変化するよう、介護に関する具体的な指導、助言を行う重要な役割も担っています。高齢者や障がい者の方を取り巻く状況が大きく変化する中で、さまざまな介護や福祉の現場で介護福祉士の活躍が期待されています。ここでは、介護福祉士国家試験の受験資格や難易度について紹介します。

介護福祉士国家試験の受験資格

介護福祉士国家試験を受験するには、「社会福祉及び介護福祉士法」に定められた受験資格が必要です。受験資格取得ルートには、3年以上の介護実務経験を基本とする「実務経験ルート」と、福祉科のある高等学校などで、所定の課程を修めることを基本とする「福祉系高校ルート」の2つのルートがあります。
自分の学歴が受験資格に相当するかどうかについては、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが運営するホームページなどの内容を元に確認できます。

実務経験ルート

介護老人保健施設や特別養護老人ホームの介護職員、訪問介護員など、主に介護の業務に従事した期間が3年以上(実働日数540日以上)の実務経験に加え、全国各地で実施されている「実務者研修」を修了することで、介護福祉士の国家試験受験資格を取得できます。受験の際は、勤務先または勤務していた事業所の代表者などが発行する「実務経験証明書」を提出する必要があります。

福祉系高校ルート

福祉系の高等学校または福祉系特例高校において、福祉に関する所定のカリキュラムを修了、卒業することで、介護福祉士の国家試験受験資格を取得できます。ただし、福祉系特例高校の場合は、卒業後に9カ月以上の実務経験が必要です。

介護福祉士国家試験の筆記試験の免除について

介護福祉士国家試験では、筆記試験と実技試験が実施されますが、資格取得ルートによって受験内容が異なります。
実務経験ルートで受験資格を取得した場合および、平成21年度以降に福祉系の高等学校に入学して受験資格を取得した場合は、実技試験が免除され筆記試験のみの受験となります。平成20年度以前に福祉系の高等学校に入学し卒業した人、また福祉系特例高校を卒業後に9カ月以上の実務経験を経た人は、「介護技術講習」を修了することで実技試験が免除されます。

なお高等学校卒業後、修業年数2年以上の介護福祉士養成施設を卒業、または福祉系大学などを経て修業年数1年以上の介護福祉士養成施設を卒業している場合は、国家試験を受験することなく、介護福祉士の国家資格を取得できます。

介護福祉士国家試験の試験内容は?

まず筆記試験は、五肢択一を中心とした多肢選択形式で実施されます。介護の基本的概念や少子高齢化、核家族化、過疎化など介護と深く関わる社会問題に関する内容、介護保険制度などの関連法規、病気や障がいの知識、介護技術に関する問題など、幅広い範囲から出題されます。

実技試験では、「両下肢の筋力が低下し、移乗と歩行に介助が必要な○○さん(90歳)」、「視力を失った男性○○さん」など、介護を必要とする高齢者や障がい者役を演じる人に対し、車いすへの移乗やトイレ誘導などの課題が提示されます。
試験官は、安全に配慮しながら正しい手順で介護が行われているか、相手のプライバシーに注意を払えているかどうかなど、いくつかのチェック項目に基づき採点を行います。

介護福祉士国家試験の難易度は?


介護福祉士の国家試験の合格基準は、筆記試験、実技試験ともに総得点の約60%台を推移しています。基本的な知識や技術をしっかり身に付けておけば、比較的合格しやすい試験であると言えますが、実技試験をクリアするためには、できるだけ多くの事例を経験しておく必要があるでしょう。

今回は、介護福祉士国家試験の受験資格、難易度について紹介しました。筆記試験や実技試験の内容をしっかりと把握して、万全の状態で試験に臨むようにしましょう。

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